段階的復職プランが失敗した後でも TPD 請求はできますか?
結論(短く)
多くのケースで可能です。段階的復職は「働く能力を継続的に回復できるか」を検証する仕組みです。時短・軽作業・追加支援があっても継続できなかった事実は、TPD請求にとって不利とは限らず、むしろ重要な根拠になることがあります。
重要なのは、失敗したという結果だけではなく、どの段階で何が起き、なぜ継続不能だったのかを、時系列と職務機能の言葉で示せるかどうかです。
なぜ段階的復職は重視されるのか
- 段階ごとに検証可能:勤務時間・業務内容・進行目標が明確なため、事実確認しやすい。
- 持続可能性の閾値が見える:どの負荷で破綻したかが判断材料になる。
- 誠実な就労努力の証拠:「働く意思があった」ことを示せる。
- 記録不一致のリスク:医療記録・雇用記録・申告内容が食い違うと遅延要因になる。
最終判断は約款定義に基づく
段階的復職が失敗しても、判断軸は保険約款です。元職種基準か、合理的に適した他職種基準かで求められる説明が変わります。したがって、証拠は「症状名」だけでなく、出勤安定性・作業耐性・安全性・回復負荷など、約款に結びつく機能情報で組み立てる必要があります。
実務で有効な整理方法
1)段階ごとに証拠ブロック化
例:第1段階(週2回半日)、第2段階(週3回短時間)、第3段階(業務複雑度を上げる)。各段階で目標、実績、欠勤、症状悪化、進行可否を記録します。
2)支援依存を明示
追加休憩、監督強化、業務制限、同僚補助などがなければ維持できなかった場合、その前提条件を具体的に示します。評価側は、一般雇用環境で同条件が現実的かを確認します。
3)診断ではなく機能で説明
「痛みがある」だけでなく、連続作業可能時間、集中低下の時間帯、服薬副作用による安全リスクなど、職務機能に直結する表現が必要です。
4)失敗点を日付で固定
「全体的に無理だった」ではなく、負荷増加の直後に何が起きたかを、日付と資料で示します。
5)他制度との整合性管理
workers compensation・income protection・Centrelink が並行する場合、核心事実の整合性を維持することが重要です。
推奨証拠セット
- 段階的復職計画書(目標・変更履歴)
- 出勤・給与記録(予定と実績の差)
- 雇用主コメント(調整内容、停止理由)
- 主治医/専門医レポート(段階別の失敗要因)
- 治療・服薬の変化と機能影響
- 1ページ時系列サマリー(証拠索引付き)
提出前30日の進め方
第1週:約款定義と重要日付を確認し、段階別タイムラインを作成。
第2週:機能中心の医療補足意見を取得。
第3週:雇用主証拠を整理し、他制度記録との不一致を修正。
第4週:最終品質チェック後、要点サマリーを添えて提出。
90日以上停滞した場合
待つだけでは進みにくいことがあります。資料を「争点別」に再編してください。たとえば、①継続可能性、②支援依存、③時系列不一致、④代替職可能性。各争点ごとに短い説明、主要証拠、約款リンクを付けると、再照会ループを減らしやすくなります。
重要:本ページは一般情報であり、法的助言ではありません。結果は約款、証拠、個別事情によって異なり、保証はできません。
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